おうちハッカーズ!

生活を良くするためのあれこれの備忘録

Googleフォトに家族写真を上げてたら義母に心配された話

こんにちは、ぱぱざんです。

子どもの成長記録を、離れて住むおじいちゃんおばあちゃんに見せてあげたい。これは近代ではありふれた話ですね。我が家では、Googleフォトに成長記録アルバムを作って、実家の家族に共有しています。めっちゃ便利です。

Googleフォトで位置情報が見れるのは大丈夫?

さて、ある日、義母からこんな指摘が届きました。

「ぐーぐるで写真を見たら、あなたの家の場所が見れちゃったんだけど、これって安全なの?」

たぶん↓みたいな、写真データの詳細情報を見ちゃったんですね。

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ブラウザ上で身内の家の場所が表示されてたら、そりゃあギョッとします。気持ちはわかります。

とはいえ、Googleフォトはかなりプライベートな写真保存サービスです。おまけ程度にコメント機能なんかも付いてますが、SNSなどとは違って、明確にGoogleアカウントを使って招待した人しか写真データを閲覧できません。

元々家の場所を知っている親族しか入っていない共有アルバムに、家の場所が紐付いた写真データをアップロードしても、まあ問題ないと考えています*1

もちろん共有アルバムに第三者を招かれると一気にやばくなりますし、限定公開のURLを作ってSNSに放流されたらやっぱりやばいので、そこだけは気をつけてねと言付けておきました。

基本的には写真データの位置情報は便利なもの

個人や家庭内での利用の範疇では、 写真データ自身が撮影場所を覚えていてくれる というのはとても便利な話です。後から写真データを探すときにも、↓のように地図で探すこともできるわけです。(この例はMacの写真アプリ)

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「ITと位置情報とプライバシー」みたいなテーマは重要ですし、今後も様々な形で上がってくると思います。ただ、写真データに関しては、個人的な利用の範囲では位置情報は付いていたほうが圧倒的に便利なので、忌避したくはないところです。

このへんは情報セキュリティの3要素にも繋がる話ですね。ざっくりとは以下の様な概念です。

  • 機密性:アクセスしていい人にしかアクセスさせない
  • 完全性:変更していい人にしか変更させない*2
  • 可用性:使いたいときに使いやすい方法で使えること

どれが欠けてもセキュリティとしてはダメで、「安全にするために不便になりました」というのは良くないんですね。可用性が欠けたものはセキュリティではありません。

そんなわけで、セキュリティ上の可用性の観点から、写真データに位置情報を付けること自体は問題ないと筆者は考えています。

SNSと写真データと位置情報

インターネット上に写真を上げるときに位置情報が付与されていて問題になるのは、セキュリティの3要素でいえば機密性に関する問題です。

インターネット上に写真データを公開する場合、位置情報は投稿者にとって「アクセスしてほしくない情報」です。しかし、その写真データのセキュリティ上の管理者である投稿者自身が写真データに埋め込まれている位置情報の存在を知らずに投稿してしまうことで、位置情報にアクセスしてほしくない人がアクセスできる状態になってしまった、というのが、過去の(そしておそらく現在でも)インターネットで頻繁に起きてきた問題でした。

さて、SNS全盛の時代になりまして、写真データをインターネット上に上げるのは日常になりました。もちろん皆さん、写真データに位置情報が埋め込まれてることなんか意識していないことでしょう。

今回も、義母からの指摘はGoogleフォトだけでしたが、親族がSNSにアップロードした写真データに位置情報が入っていないとも限りません。大手SNSについて簡単に調べてみました。

検証方法

MacのプレビューアプリでSNSからダウンロードしてきた写真データを開き、インスペクタで情報を確認します。

検証結果

サービス名 結果
Twitter GPS情報なし
Facebook GPS情報なし
LINE GPS情報なし
Instagram GPS情報なし

どこもしっかり消してくれてることがわかりました。

番外編:Googleフォト

Googleフォトからダウンロードした写真データも調べてみました。

サービス名 結果
Googleフォト GPS情報あり

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位置情報もバッチリ残ってました。プライベートな写真データを保存するサービスとしては完全に正しい動きですし、ありがたいことです。

写真に位置情報がついてなければ大丈夫?

さて、大手のSNSであれば、投稿した写真に位置情報は残らないことが分かりました。これで遠慮無く家庭の写真を投稿できますね・・・

というわけではありません!!

主にまずいのが背景の映り込みや、近所へのお出かけの報告です。

お出かけの報告で町レベルまで絞り込んだら、あとはGoogleストリートビューなどで探していけば、背景に写り込んだ場所を探すくらいは現代では造作も無いことです。

自分がどんな情報を発信していて、全部寄せ集めたらどんな情報が得られるか、プライバシーが気になる方は意識しながらSNS上で生活するとよさそうです。

まとめ

  • Googleフォトは家庭内の範疇で使ってる分には位置情報付きの写真データが上がってても怖くないよ(全世界に公開する方法自体は用意されてるから注意してな)
  • 大手SNSもなんだかんだで位置情報を削ってから投稿してるから問題ないよ
  • データへの埋め込みは大丈夫でも、背景の映り込みでバレるときもあるから気をつけてね
  • 写真データの位置情報自体は便利だからあんまり忌避しないでね

という今回のお話でした。

*1:Googleに家の場所を知られるのはどうなんだと思う方もいるかと思いますが、なんだかんだでGoogleは自宅の場所くらい突き止めているので、私はもう気にしないことにしました

*2:Googleフォトが独自に写真を圧縮してるけど、一応あれは私たちが許可したことになっています